東洋のバイオリン、二胡

東洋のバイオリンと称される中国原産の二胡は、哀愁のある音色の楽器です。
日本では胡弓と呼ばれることもありますが、日本の胡弓と二胡とはまったくの別物です。
二胡は、作られた産地によって違いがあります。

上海や蘇州などの揚子江の南側で作られた二胡は南方二胡と呼ばれます。
見た目も琴筒が六角形で裏面に透かし彫りがあり、哀愁のある音色が特徴です。
弓も南方式は弓先が大きく湾曲しており、毛の着脱と張り具合を手元のねじを回して行うことができます。

一方、北京、天津などの北部で作られた二胡は北方二胡と呼ばれます。
琴筒を正面から見ると八角形で、裏側は円形をしています。
北方式の弓は手元に尾毛のフックがついています。
毛先を輪状にしたものをそこに引っ掛けるようになっているので、着脱が南方式よりも比較的簡単です。
一般的に北方二胡は、南方二胡よりも大きな音で音質も硬い傾向があります。
しかし近年は南と北の交流が深まり、この二つの違いはなくなりつつあるようです。

二胡は中国語では「アル・フー」と発音されます。
胡という字には異民族という意味があり、二胡の原型になった楽器は唐の時代にシルクロードを通って西方から伝わったといわれています。
その後、改良を加えられて1950年代に現在の二胡の形状とサイズに決められました。
二胡に使われる駒は木製で、紫檀や黒檀、松、メープル、マホガニーなどの木が一般的によく使われます。
小さな駒ですが、これひとつで音質が変わるので、自分の二胡にあった駒選びが重要です。